ご挨拶

ご挨拶

理事長 服部 徳昭

公益社団法人
群馬県老人保健施設協会 
 理事長 服部 徳昭
              (はっとり のりあき)

 私ども群馬県老人保健施設協会は、群馬県内の老人保健施設の運営や利用者様の支援、地域連携の推進などを担っております。
 新型コロナウイルス感染症という未曾有の危機を乗り越え、私たちは今、新たな時代へと踏み出そうとしています。
 この度、コロナ禍を振り返り、今後の老人保健施設が地域において果たすべき役割、そして未来への展望について述べさせていただきます。

1.コロナ禍における老人保健施設の役割

■コロナ禍において、老人保健施設は感染症対策に懸命に取り組みました。
 ○80施設をネットワークで繋ぎ、情報共有を図り、職員一丸となって、徹底的な感染対策を実施
  ・マスク着用、手指消毒、こまめな換気などの基本的な対策に加え、利用者様への個別面会制限や、職員の感染リスク低減のための対策などを徹底しました。
 ○オンライン面会の導入
  ・長期間の面会制限解除のための苦肉の策でしたが、利用者様とご家族を繋ぐ重要な役割を果たしました。
 ○職員の精神的ケアにも注力
  ・長時間労働や感染リスクへの不安など、職員の負担は非常に大きかったので面談やカウンセリングなどの支援体制を充実させ、心のケアにも努めました。

■これらの取り組みは、決して容易なものではありませんでした。しかし、一丸となって難題に立ち向かい、利用者様の安全と安心を守り続けることに役立ちました。

2.地域における老人保健施設の役割

■コロナ禍を経て、老人保健施設の役割はますます重要になってきています。
 ○高齢化社会における医療・介護ニーズの増加
  ・群馬県も例外ではなく、高齢化率は全国平均を上回っています。今後、医療・介護サービスの需要はさらに増加していくことが予想されます。
 ○地域包括ケアシステムにおける中核施設
  ・老人保健施設は、医療と介護を一体的に提供できる中核施設として、地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担っています。
 ○認知症高齢者への対応
  ・認知症高齢者の増加は社会問題となっており、老人保健施設は専門的な知識と経験に基づいた支援を提供していくことが求められ、またこの要望に多職種連携で積極的に対応しております。

3.未来への展望

■これらの課題を解決し、地域における役割をさらに発展させていくために、老人保健施設は以下のような取り組みを進めていく必要があります。
 ○ロボット・AIによる質の高い医療・介護サービスの提供
  ・最新の医療・介護技術の導入、職員の研修強化、利用者様一人ひとりに寄り添った個別ケアの提供などを進めていきます。
 ○地域連携の強化
  ・病院、介護事業所、行政機関などとの連携を強化し、地域全体で高齢者支援に取り組んでいきます。
 ○認知症・要介護高齢者への専門的な支援
  ・認知症専門医による診察や、認知症高齢者の特性に合わせた介護サービスの提供などを充実させていきます。

 老人保健施設は、高齢者の自立支援と地域社会の活性化に貢献する重要な役割を担っています。

 これからも、利用者様一人ひとりのニーズに寄り添い、質の高い医療・介護サービスを提供しながら、地域における役割をさらに発展させていくために努力してまいります。

令和6年10月